予防歯科
予防歯科
当院では予防歯科は歯科の治療の中でも最も重要だと考えられる治療だと考えております。
なぜなら、むし歯の治療などでご自身の歯を失ってしまうとほかの人工物で補う処置が必要となります。その人工物はご自身の歯に勝る材料は残念ながら今の歯科の材料はありません。そのため最良であるご自身の歯を守っていく取り組みが必要となります。
むし歯治療や歯周病治療、補綴治療など歯科治療が終了した後は予防歯科のスタートと考えていただき、再治療のリスクを減らすために定期的なメンテナンスを推奨しております。3~4か月に1回の頻度でメンテナンスにおこしいただき、むし歯の有無や歯肉の状態など口腔内を確認します。患者さまによって、むし歯や歯周病のリスクは様々ですので、患者さま一人一人にあった予防歯科のアドバイスを行っています。
担当医、担当衛生士が予防歯科を行いますので患者さまの細かな変化を察知することが出来ます。
予防歯科とはむし歯や歯周病などのお口の中の病気を予防することを目的とした取り組みです。
歯医者は、歯が痛くなったり、むし歯の治療をしたりするときだけに行くものと考えている方が多いように思えます。もちろん、お口のトラブルに気づいたらできるだけ早く歯科を受診することが大切です。しかし、生涯を通してお口の健康を守るためには、病気を未然に防ぐ「セルフケア」と「プロフェッショナルケア」が重要です。
歯を失う原因の多くはむし歯や歯周病などの病気です。
つまり、これらを予防すれば歯を失うリスクを大幅に軽減できます。予防歯科とは、むし歯や歯周病などの病気にならないようにしっかり予防を行うことで、当院では定期的な受診をおすすめしています。
全身の健康維持とともに、予防歯科を実践して生涯ご自分の歯でおいしく食事ができるようにしましょう。
予防歯科の中心となるのはセルフケアと定期的なプロフェッショナルケアです。
セルフケアと歯科医院でのプロフェッショナルケアを両立することで、歯と歯周組織を健康に保つことができます。セルフケアでは清掃困難な部位(歯と歯のすき間や歯周ポケット、最後臼歯部後方、矯正装置装着部など)があります。そのため、毎日歯みがきをしていてもむし歯になったり歯茎に炎症がおきたりしてしまうことがあるのです。徹底的にお口の中の汚れを除去できるのが、歯科医師や歯科衛生士らによるプロフェッショナルケアです。定期的に専門家の歯のクリーニングを受けて、お口の汚れを除去すれば、細菌の温床となるバイオフィルム(強力に付着した多種の細菌の膜)や歯石を取り除くことができ、歯の寿命をのばすことができます。
プロフェショナルケアでは歯垢や歯石の除去をはじめ、口腔内診査、歯みがき指導などを行います。
PMTC(プロによるクリーニング)
PMTCとは、専門家が専用の機器を使用して歯を磨き上げる(Professional Mechanical Tooth Cleaning)という意味の略称です。毎日の歯みがきでは落ちない歯の汚れやバイオフィルムを、予防ケアのプロである歯科医師や歯科衛生士が、専門の器具と専用のペーストを用いて、歯面とその周辺の歯周組織から徹底的に除去していきます(スケーリング・歯面清掃)。
このクリーニングによって、汚れの再付着の予防も期待できます。
スケーリング(歯石取り)
歯石は歯垢(プラーク)が石灰化してできた硬い塊で、歯みがきなどの通常のセルフケアでは除去できません。歯科ではスケーラーという専用の器具を使用して、歯の表面や歯周ポケット(歯と歯ぐきの隙間)内にある歯垢や歯石を徹底的に除去します。このスケーリングは、初期の歯周病(歯肉炎)を改善する治療としても行います。
歯面清掃・フッ素塗布
歯面清掃では、専用の器具を使用し歯周ポケットの下まで清掃が可能です。フッ素塗布は小児歯科専用と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、成人のむし歯予防にも効果的です。フッ素(フッ化物)にはその科学的特性から、「初期のむし歯を治す」「歯のエナメル質を強くする」「むし歯菌の活動を抑える」という効果が期待できます。
歯面清掃用のペーストにはフッ素が含まれており、定期的なフッ素塗布で歯をコーティングすることによって、むし歯を予防します。
エアフロー
エアフローは歯のこびりついた汚れをしっかり落としていく、歯専用のクリーニング機器です。
この機器の最大の利点は歯を傷つけることなく清掃を行うことが出来るという点です。
汚れや着色のある部分を中心に、小さな粒子を吹き付けながらジェット流水で同時に洗い流し、こびりついた歯垢や汚れをしっかり取り除いていきます。ブリッジの下や被せ物、インプラントまわりの汚れなどもスッキリ落とすことができます。
粒子はパウダー状なので、歯に優しくダメージを与えません。エアフローを行ったあとは、歯の表面がツルツルします。歯垢や歯石、バイオフィルムなどの再付着も防ぎ、むし歯や歯周病などのリスクを低減できます。
一人ひとり歯並びも違いますし、歯みがきの仕方にも癖があります。ホームケアの指導では、各個人に合わせた歯みがきの方法や、歯ブラシ、歯間ブラシ、フロスの選び方などをお伝えし、ご自宅でのホームケアをより効果的に行えるようにサポートいたします。
ブラッシング方法
むし歯や歯周病の原因は歯垢です。この歯垢は丁寧なブラッシングによって、大部分を取り除くことができます。ブラッシングは、みがき残しを防ぐため、1本1本の歯を優しく丁寧にみがくことが基本です。歯の表面をみがくときは、大きな面は歯ブラシを直角に当てて小刻みに動かします(スクラビング法)。歯と歯ぐきの溝は、歯ブラシを45度の角度に当てて小刻みに動かし、汚れを掻きだすようにします(バス法)。
デンタルフロス
歯と歯の間の汚れは、デンタルフロスを使用すると落ちやすくなります。糸状のデンタルフロスは、歯と歯のすき間に通して汚れを落とします。ホルダーがついたフロスもありますので、使いやすいものを選択してください。
歯間ブラシ
歯間ブラシは歯と歯の間の汚れを落とします。様々な太さの歯間ブラシがありますので、ご自分の歯に合ったものを選びましょう。前歯と奥歯で歯と歯のすき間が異なる場合は、それぞれ太さに合わせて使い分けます。
ブラッシング方法やデンタルフロス・歯間ブラシは患者さまに合ったものをご提案させていただきます。
むし歯菌は人から人に感染します。とくに問題となるのがミュータンス菌で、一旦口の中に大量に感染するとなかなか排除できないという大きな問題があります。実は、産まれたばかりの赤ちゃんにはむし歯菌(ミュータンス菌)がいません。赤ちゃんにむし歯菌がうつるのは、たいていご家族からです。密接に関わるお母さんが一番手で、口移しで食べさせたり、親の箸やスプーンで食べさせたりということでうつってしまいます。
むし歯菌に感染しやすい時期は、生後10か月くらいから、乳歯列が完成して硬いものが食べられるようになる約2歳半といわれています。この間は赤ちゃんに使う箸やスプーンは専用のものにしたり、離乳食の際に咬み与えをしたりしないようにしましょう。
日頃の歯ブラシ習慣も大切になってきます。小さいころはお母さんが一緒に歯みがきを行うとともに、きちんと磨けているかの点検と仕上げをしてあげましょう。
定期検診やブラッシング指導を受けることもおすすめです。
フッ素塗布はむし歯菌から作られる酸の生成を抑制する効果が期待でき、とくに乳歯や、生えたての永久歯にはむし歯予防効果が大きいとされています。4か月に1回の歯面塗布をおすすめします。シーラントはむし歯になるリスクが高い歯の溝を、歯科用プラスチックで塞ぎ、汚れがたまらないように処置する治療です。乳歯は形が複雑なため、シーラント処置は効果的です。とくに奥歯の深い溝は汚れがたまりやすく、むし歯になりやすいところです。奥歯が生え出したらできるだけ早いうちに溝をコーティングするシーラント処理をおすすめします。
歯周基本検査
むし歯や歯周病の状態、また歯垢の染め出しを行い、将来むし歯や歯周病になりやすそうな部分をチェックして、ご説明します(必要に応じて、口腔内写真、デジタルレントゲン検査を行います)。また、すぐに治療が必要な歯があった場合には応急処置を行います。
お口のプロフェッショナルによるケア
お口の状態と生活環境に合わせて、食事アドバイスや正しいホームケアについて指導します。また、歯垢や歯石の除去、フッ素塗布などを行います。
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